AIで作られたフィッシングメールは見抜ける?詐欺メールの確認方法

届いたメールの内容と送信元を慎重に確認する セキュリティ

「お客様情報を確認してください」「本日中に支払い方法を更新してください」。そんなメールが届くと、急いでリンクを押したくなります。最近は文章が自然で、名前や利用サービスに触れたメールもあります。誤字や不自然な日本語を探すだけでは、詐欺を見分けにくくなりました。

AIで作られたかを見抜こうとするより、メールに書かれた用件を別の経路で確かめることが大切です。AIは文章作成に使われることがありますが、詐欺メールは以前から存在し、すべてがAI製というわけでもありません。

自然な文章でも本物とは限らない

生成AIは、指定された相手や状況に合わせて、丁寧な文章や短い通知を作れます。翻訳や言い換えもできるため、「日本語が変だから偽物」という判断は以前ほど頼れません。一方、正規企業のメールにも簡潔な文面や誤記はあります。文章の雰囲気だけで真偽を決めないでください。

差出人名は自由に表示でき、見慣れた会社名でも送信元アドレスが違う場合があります。メール内のリンクも、表示文字と実際の移動先が異なることがあります。「本日限り」「アカウント停止」など急がせる表現、身に覚えのない請求や当選、添付ファイルを開かせる依頼は、いったん止まる合図です。

メールを押す前に公式アプリで確認する
メールを押す前に公式アプリで確認する。実際の画面ではなく説明用のイラストです。

開かずに確認する4つの手順

1. 依頼の内容に心当たりがあるか

注文、荷物、ログイン、請求など、書かれた出来事を自分の記録と照らします。心当たりがなくても、通知が本物か確かめるためにメールのリンクを使う必要はありません。

2. 公式アプリかブックマークから確認

通販や銀行の公式アプリ、以前から使っているブックマークを開き、同じ通知があるか確認します。検索広告に出た連絡先も偽物の可能性があるので、公式サイトの問い合わせ先を自分で探します。

3. リンク先と送信元を慎重に見る

パソコンならリンクにカーソルを合わせると、画面の隅に移動先が表示されることがあります。スマートフォンは長押しで確認できる場合がありますが、誤操作で開くおそれもあります。慣れていなければリンクを触らず、公式アプリへ移動してください。アドレスの一部に会社名が含まれるだけでは本物と判断できません。

4. 添付や認証コードに注意

予告のない請求書、圧縮ファイル、マクロを有効にするよう求める文書は開きません。パスワードやワンタイムコードをメール返信で教えたり、画面に入力したりしないでください。正規サービスがメールで認証コードを尋ねることはありません。

確認方法:メールを安全に見比べる

不審なメールを開いた状態でリンクは押さず、差出人アドレス、急がせる表現、要求内容の3点だけをメモします。次に、メールを閉じて公式アプリを起動し、注文履歴やお知らせを確認します。公式側に通知がなければ、メールの「迷惑メール報告」機能で報告して削除します。会社や家族を装うメールは、記載先ではなく、以前から知っている電話番号で確認します。

怪しいメールを受け取った時の対応

メールサービスに迷惑メール報告の機能があれば、送信元を報告してから削除します。リンク先を開いてしまった場合、ページを閉じ、ダウンロードしたファイルがあれば開かないでください。添付を実行したり、通知を許可したりした場合は、セキュリティソフトで確認し、必要に応じて公的窓口や端末のサポートへ相談します。家族のアカウントが乗っ取られたように見える連絡は、そのアカウント上で返信せず、電話など別の経路で本人へ確認してください。

同じ詐欺メールが何度も届くなら、メールアドレスが知られている可能性はありますが、それだけでアカウントに侵入されたとは限りません。迷惑メールフィルターを有効にし、メールアカウントのパスワードと多要素認証、ログイン中の端末も確認します。添付を開いていない、パスワードを入力していないなど、実際にした操作に応じて対処を選びましょう。

クリック後に気づいたとき

リンクを開いただけで直ちに被害が確定するとは限りません。情報を入力したか、ファイルを開いたか、アプリを入れたかを整理します。パスワードを入力した場合は、公式サイトからすぐ変更し、使い回している他サービスも変更します。カード番号や銀行情報を入れた場合は、カード会社や金融機関の公式窓口へ連絡してください。遠隔操作を求められても許可せず、画面に表示された電話番号へ電話しないでください。

メールの文章が自然かではなく、頼まれた操作が本当に必要かを別の経路で確かめる。この習慣が、AIを使ったものも含め、さまざまな詐欺への共通対策になります。

家族や職場で共有しておきたいこと

家族で「メールだけで急な送金や本人確認はしない」と決めておくと、誰か一人が焦って判断するのを防げます。職場では、請求先変更や経理担当への振込依頼を、メール以外の社内承認手順で確認します。送信者の名前や署名がいつもと同じでも、メールアカウントを使われている可能性があるためです。迷惑メール報告をするときは、本文のリンクを押さずにメールサービスの機能を使います。受信しただけで不安になり、相手へ返信してしまうと、使われているアドレスだと知らせる結果になることもあるため、返信せず公式の報告機能を使いましょう。

添付ファイルを開いてしまった時は、そのファイルを他の人へ転送せず、開いた時刻と画面に出た表示を控えてください。会社のメールなら担当者へ、個人の端末ならセキュリティの公式窓口へ相談します。状況が分からないまま、警告画面の電話番号へ連絡したり、指示されたアプリを入れたりしないことが大切です。

参考情報

関連記事

タイトルとURLをコピーしました